3分で読める結論

エンディングノートが続かない理由は、ひとつだけ。 「全部書こうとしている」から です。

おひとりさまにこそおすすめなのは、 最初の3ページだけ書く という方法。

  1. ページ①:基本情報(氏名・血液型・かかりつけ医)
  2. ページ②:緊急連絡先5人+持病・常用薬
  3. ページ③:「もしもの時、これだけは」3行

これだけで、いざという時、引き受ける誰かが本当に助かります。 そして何より、 あなた自身の肩の荷が下りる。

📝 わたしも54歳でようやく書き始めましたが、3ページなら30分で完成しました。 完璧なノートを2年放置するより、3ページを今日書くほうが100倍意味があります。


なぜ「3ページ」でいいのか

世の中のエンディングノートは、だいたい50〜100ページあります。 財産、不動産、デジタル遺品、葬儀の希望、お墓、ペット、メッセージ……。

書くべき項目が多すぎて、 3ページ目で挫折する人が大多数 です。 かくいうわたしも、立派なエンディングノートを買って、本棚で2年寝かせていました。

でも、ある時気づいたんです。

「いざ」というとき、引き受けてくれる人が本当に必要な情報って、3ページ分しかない。

  • 連絡先
  • 緊急の医療情報
  • 「これだけは伝えたい」一言

これさえあれば、あとは時間をかけて整理できる。 逆にこの3ページがないと、何もかもが手探りになる。

最初の3ページは、あなたの未来を救う「お守り」みたいなもの です。 3ページなら、書ける。書けたら、しまっておけばいい。 気が向いたら、4ページ目以降を足していけばいいんです。


ページ①:基本情報(5分で完了)

最初のページに書くのは、 「あなたが誰か」がわかる最小限の情報 だけです。

1
2
3
4
5
6
7
8
9
■ 氏名(フリガナ):
■ 生年月日:
■ 血液型:
■ 住所:
■ 電話番号:
■ メールアドレス:
■ かかりつけ医(病院名・診察券番号):
■ 健康保険証の場所:
■ マイナンバーカードの場所:

これだけです。 5分もあれば書けます。

「えっ、こんなのでいいの?」と思うかもしれません。 でも、 救急車を呼ばれたとき、最初に必要なのは、まさにここ です。

ひとり暮らしで倒れた時、救急隊員が玄関を開けて困るのは、 「この人、誰?」「持病は?」「かかりつけは?」 がわからないことです。

このページを冷蔵庫に貼っておくだけで、第一段階クリア。

💡 旭川市など多くの自治体では「救急医療情報キット」を無料配布しています。 冷蔵庫保管が前提のキットです。お住まいの市役所で確認してみてください。


ページ②:緊急連絡先5人+持病・常用薬

2ページ目は、「もしも」のとき連絡してほしい人 のリストです。

 1
 2
 3
 4
 5
 6
 7
 8
 9
10
11
■ 緊急連絡先(5人まで)
1. お名前(続柄):              連絡先:
2. お名前(続柄):              連絡先:
3. お名前(続柄):              連絡先:
4. お名前(続柄):              連絡先:
5. お名前(続柄):              連絡先:

■ 持病(あれば):
■ 常用薬(あれば):
■ アレルギー(食物・薬):
■ ペースメーカー等の医療機器:(あり / なし)

「5人も思いつかない」と思いましたか? わたしも最初そう思いました。

でも書き出してみると、不思議と思いつくものです。

  • 古くからの友人
  • 元同僚
  • 遠くの親戚
  • ご近所の方
  • 行きつけの店主さん

血縁じゃなくていい。 「わたしのことを少しでも知ってくれている人」 で十分です。

そして、ここに書く方には、 事前に「いざとなったら連絡が行きます」と一言伝えておく のがおすすめ。これだけで関係性がぐっと深まります。

💡 緊急連絡先5人がゼロ・1人でもOK。 行政の地域包括支援センターの番号を1番に書く方もいらっしゃいます。


ページ③:「もしもの時、これだけは」3行

3ページ目は、本当に 3行だけ です。

1
2
3
1. もしも意識が戻らなかったら、わたしは(           )してほしい。
2. お金のことは(              )に書いてあります。
3. (              )だけ、よろしくお願いします。

たとえばわたしの場合は、こんなふうに書いています。

1
2
3
1. もしも意識が戻らなかったら、わたしは「延命処置はしないで」と伝えてほしい。
2. お金のことは「机の引き出しの茶封筒」に書いてあります。
3. 「庭の鉢植えを誰かに譲ること」だけ、よろしくお願いします。

たった3行。 でもこの3行があるかないかで、引き受ける側の心の重さがまったく違います。

「延命するの?しないの?」「お金どうなってる?」「あの鉢植え、捨てていいの?」 —— こういう 判断に迷う場面 を、3行で全部クリアできるんです。

💡 「3行が思いつかない」場合は、まず1行から。 「3行ぜんぶ書けたら満点」ではなくて、 「1行でも書けたら100点」 です。


書けない人がハマる「完璧主義の罠」

エンディングノートが続かない人には、ある共通点があります。

それは 「最初から完璧を目指している」 こと。

  • ✗ 100ページ全部埋めようとする
  • ✗ 立派な文面を考えようとする
  • ✗ 「あとで清書しよう」と下書きを終わらない
  • ✗ 法的に有効な遺言にしようとする(エンディングノートに法的効力はないのに)
  • ✗ 「これじゃ恥ずかしい」と人に見せられないと思う

これ、全部 です。

エンディングノートは、 読まれる時には、あなたはもうそこにいない 。 だから「恥ずかしい」も「立派じゃない」も、関係ない。

殴り書きでOK。 誤字脱字OK。 コピー用紙3枚でOK。

書いてあること自体に、価値がある んです。

💡 「3ページが完成したら、お祝いに何か買う」と決めておくと続きます。 わたしは新しいハーブの苗を1鉢買いました。


無料テンプレ4選

ここから、無料で使えるエンディングノートのテンプレートをご紹介します。

① 法務省「自筆証書遺言書保管制度」関連書類

法務省が公開している遺言関連の書類。エンディングノートとは別物ですが、法的な準備の入口として参考になります。 公式:法務省サイトで「自筆証書遺言書保管制度」を検索

② 各自治体の終活ノート

旭川市・札幌市・東京都など、多くの自治体が 無料の終活ノートPDF を配布しています。 お住まいの市町村サイトで「終活ノート」「エンディングノート 無料」で検索してみてください。

③ 民間の無料テンプレート

  • コクヨ「もしもの時に役立つノート」(市販・1,000円前後・3ページだけ書く派にも◎)
  • 日本ホスピス財団のシンプル版
  • 葬儀社や仏壇店が無料配布しているもの

④ わたしが使っている「3ページだけ」自作テンプレ

このページの①②③をそのままコピーして、A4用紙3枚に書き込むだけ。 シンプルが一番続きます。

💡 メルマガ登録で「3ページだけテンプレPDF」を配布予定。 完成したら、こちらでお知らせします。


わたしの場合:3ページが完成した日の話

少しだけ、わたしの話を。

54歳の春、ようやくわたしも3ページを書き終えました。

書く前は「縁起でもない」と思っていたんです。 でも書き終わってみると、 不思議と心が軽くなった

特に効いたのは、3ページ目の「3行」を書いたこと。

「庭の鉢植えを誰かに譲ること」と書いた瞬間、わたしは自分の庭が好きだったんだなあと、改めて気づきました。 死ぬ準備が、 自分が何を大事にして生きてきたかを浮かび上がらせてくれた

そして、誰にこのノートを渡そうかと考えたとき、5人の顔がちゃんと浮かんだ。 「あ、わたし、ひとりじゃないんだな」と思えた。

エンディングノートは、 「死ぬための準備」じゃなくて、「自分の人生を確認する作業」 なのかもしれません。

ひとりで生きてきたあなたへ。 3ページだけ、書いてみませんか。


よくある質問(FAQ)

Q1. エンディングノートに法的な効力はありますか?

A. 基本的にありません。法的な効力が必要な場合(財産分与の指定など)は、遺言書を別に作る必要があります。ただし、エンディングノートは「家族や周囲があなたの意思を知る手がかり」として、十分すぎる役割を果たします。

Q2. 何年に1度くらい見直すべきですか?

A. お誕生日 or お正月など、年に1度の見直しがおすすめです。連絡先や持病は、案外変わっています。

Q3. どこに保管するのが安全ですか?

A. 「人が必ず見る場所」が一番安全 です。誰にも見つからない金庫の奥に入れると、書いた意味がなくなります。

  • 冷蔵庫の貼り紙の裏
  • 机の引き出しの一番上
  • 玄関の靴箱の上
  • 信頼できる人に「コピーをひとつ預けておく」のもOK

Q4. ひとりで書いていて寂しくなりませんか?

A. 正直、ちょっとなりました。でも書き終わると、不思議と「これでいい」と思えるんです。書く前のほうが、ぼんやり不安だった気がします。

Q5. デジタル(スマホ)で書いてもいいですか?

A. OKです。ただし、 パスワードがわからないとアクセスできない問題 があります。スマホで書く場合は、紙のコピーも別途残しておくのがおすすめです。


さいごに

ひとりで生きるあなたへ。

エンディングノートは、完璧じゃなくていい。 3ページでいい。 1行でもいい。

書く時間を取ること、それ自体があなたの 「ひとりで生きる覚悟」 の表現です。

そして、書いたあなたは、 自分の暮らしを自分で引き受けている、強くて優しい人

今日、3分から、はじめてみませんか。 コピー用紙とペンがあれば、もう始められます。

ひとりで生きるって、ちゃんと生きるってこと。 わたしも、まだまだ書き足していきます。一緒に、ぼちぼちいきましょう。


【著者プロフィール】 みやみー(54歳・北海道旭川在住) ひとりで生きる人の暮らしを、AI・スマホ・ちょっとの工夫で軽くしたい。共生型シェアハウスを立ち上げ中。 モットー:「完璧じゃなくていい。クスッと笑って明日に進む」

※本記事は個人の体験と観察に基づく内容です。法的・税務的な判断は、専門家にご相談ください。